ねえジィさん大変だよぅ 駆け登って来た声に目蓋を開いた。天空を見上げる。正午はもう過ぎているらしい。いつも子供らが遊びに来る、学校が終わった頃合いの時刻だ。見下ろせば案の定、昨日と同じ制服姿の玉緒とぬいがいて枯木の幹を容赦なく叩いている。 老体がミシミシ悲鳴をあげるのに顔を顰めた老爺はやめろやめろと喚きながら少女らの隣に姿を現した。 「折れちまッたらどうする気だ、どかどか叩くンじゃあねェよ俺は太鼓じゃないぞ。まったく礼儀知らずの小娘どもめ」 「なにさ、ジィさんがすぐに出てきてくれないから悪いんじゃない」 「あン、なんだと手前ェ」 「もう、玉緒ちゃんもジィさんもそれどころじゃないでしょう」 十六夜君が行方不明なのよ 叱るようなぬいの言葉に老爺は意表をつかれた。 「鴉の餓鬼が行方不明だと。そりゃァどういう事だ」 「家に帰っていないそうで、学校にも来ていなかったの。昨日学校を出て、それっきりだって」 「この辺りを夕方、十六夜君らしい鴉が翔んでいるのを見たって聞いて」 ねぇジィさん何か知らない。問われても、そもそも行方不明だなどと今知ったところなのだ、思い当たる事などすぐには浮かばない。 「確かに普段あの餓鬼は普通の鴉の姿で翔んでいるがな、オイ、ただの鴉も大勢いるんだぞ、山ン中に巣だってあらァ。ンなもの遠目に見分けがつくかよ」 鴉は鴉でも親父の方の鴉天狗は来ていたが、と声には出さず昨夜を思い返す。しかし彼の天狗を指して鴉が翔んでいたとは言うまい。アレは鴉以外の血が濃く出たために変化の術が使えないのだ。それに翔んでいる姿はのそのそと不格好で鴉のようには優雅に飛翔出来ないし、何より遠目で判るほど大きいのだから見間違えようもない。 そういえば。老爺は昨夜別れ際に交わした会話を思い出した。鴉天狗の親父も、倅はこの辺りをよく翔んでいると言っていなかったか。 その割に老爺は十六夜とあまり話したことがない。 「おい、鴉の餓鬼がこの辺りによく来るって話は聞いたことがあるか」 唐突に問われてふたりはきょとんと目を瞬いた。意外だったというよりは何を当たり前の事をという顔だ。 「あるのか」 「あるも何も十六夜君が自分でそう言っていたよ」 「この街のひとは何かあるとジィさんのところへ話に行くから傍で聴いていると面白いって」 「ジィさんと十六夜君、仲が良いんでしょう? だから昨日も、もしかしたら来ていたのかと……」 そういう――ことか、 老爺は頭を抱えた。 「来てねェよ鴉の餓鬼なんざ。アイツは今ァ人間にお熱なんだろう。調べるのに夢中になって帰ェるのを忘れているだけじゃあないのか」 「そんなはずないよ、十六夜君、皆勤賞狙ってたんだから」 「じゃあ妙なところにまで調べに入って出てこられなくなったンじゃねェのか。ほら、三丁目の洋館辺りとか。あそこなら大勢でも隠れられそうじゃねェか、ああいう場所を調べていたンじゃァないか」 そうかなぁ。そうかもしれないね。老爺の言葉を吟味するように顔をつき合わせていた少女らは、やがて納得したらしく、それじゃあ見てくるよ、ジィさんも十六夜君見かけたら帰るように言ってねと、言い残して山道を駆け降りていった。 忙しない童どもだと肩を竦める。 そうしてふたりの姿が完全に木立に紛れるまで見送ってから、老爺は踵を返すと法衣の裾や包帯の先をゆらゆら靡かせながら億劫そうな足取りで山を降り始めたのだった。 おゥ居るかい異国の兄ィちゃんよ 言う途中で戸を叩く。過去に幾度か造り直された木戸は建物全体と比べるならばまだ比較的マシな朽ち加減ではあるのだが、それでももう随分古く、さほど力を入れてもいないのにかなり喧しい音がした。立て付けが悪いのかもしれない。いや――それ以前の問題か。 そもそも小屋が古いのだ。老爺は腕を法衣の袖にしまうと三歩ほど後退し改めて山小屋を眺めてみた。厚い木板を組んで造られた簡素な小屋は何世紀も風雨に晒され続けて今や建物というよりも山の一部であるといった方がしっくりくる具合だ。これでも何度かは世話好きな街の者などと手を加え補強をしているのだが、外壁など一寸触れるのを躊躇うくらいに朽ち果てている。 紹介しておいてなんだが、よくもまぁこんな小屋に住めたものだ。 しかしいっこうに返事がない。中にいる様子もないし留守なのだろうか。もしかしたらとうにこんなあばら屋を出て何処か他の街にでも発ったのかもしれぬ。肩透かしを食った老爺は、なんでェ留守かよと独り言ちて立ち去ろうとした。 ガサリ 何か用かい妖樹のジィさん―― 横手からかけられた声に振り向く。 木立の間に、会ったときそのままの格好で人形の男が立っていた。 しかし会ったときのまま、とは言ったがあのときほど服も身体も汚れてはいない。金を工面して銭湯に行ったか川で水浴びでもしたのだろう。好き放題に跳ねた髪は灰色だったのから鴉のように真っ黒い濡れ羽色へ変わっている。ただ痩せこけているのは相変わらずで、窪んだ目元が男の人相を禍々しく演出しているのも変容ない。 いたのかい。体ごと男へ向き合って言えば、行くところもねェからなァと歩きながら男が返す。二歩ばかし手前で立ち止まって、真っ黒い眼が真っ直ぐに老爺を見た。 底無しの泥沼みたいな眼だ。 あるいは血が凝固したあの黒だ。 不幸や厄災ばかりが詰め込まれたようなぐるぐる濁った真っ黒い瞳。 こんな眼をしてやがるから、と老爺は思う。こんな、善いことなんて何一つ知らないような、この世には悪意しかないのだとでも言うような、そしてそうであることを面白がっているような、見ているとどうしようもなくやるせなくなる眼をしているから、つい小屋を貸してやるなどと言ってしまったのだ。 何が出来るという訳でもないし、何をしてやろうとも思いやしないのだが。 「難しい顔してんなァ、なんか困り事か」 「まァな」 「そうか、樹でも化けりゃあ悩むンだな」 喉奥で引き攣るようにして人形は笑った。馬鹿にしている様子はない。思ったことをそのまま何も考えずに口から出して、愉快に思ったから笑っているという風である。そこに悪意は無いのだろうが、それでも老爺はひとつ舌を打つと余計なお世話だ莫迦野郎と罵った。罵られたというのに、ひゃひゃひゃ、と今度は声に出して人形は笑う。見様によっては分別無い時分の童みたいな笑顔だ。面白くって面白くって仕方がないという笑顔。無垢と呼ぶべき筈なのに実際はぞわぞわと嫌悪や不安をぐちゃぐちゃ混ぜた言葉に出来ない不愉快な印象が肚の辺りを這う。 壊れてる。またそう思った。実のところ老爺も何故自身がこの男を指してそう断定するのかよく分かっていない。分からないけれど、それでもはっきりと思うのだ。なんだか悲しい気持ちで思うのだ。この人形は、 ――この男は、壊れている。 莫迦野郎は酷ェなジィさん。腹を抱えながら人形が言った。 「まあオレが賢く無いのは本当だけどよ」 「知らねェよ手前ェのことなんざ。話すのだってこれが二度目じゃねェか」 「そういえばジィさん、アンタ、あの木から離れられたンだな。てっきりあの枯木の傍でしか姿を現せられねェものだと思っていたぜ」 会話が噛み合っていない。否、そうでもないのか? 訳が分からなくなってきた。調子が狂う。……いや、違うか。 相手の調子に呑まれているのだと、気づいて老爺は舌打ちした。 「どうだっていいだろう」 「そんなことはねェよ。もしアンタが何処にでも姿を現せられるなら、そんなの安心していられないじゃねェか。気味が悪いじゃねェか。怖いじゃねェか。そうだろう?」 変わらない笑顔で人形が言う。悪意のない声で、さも自分の意見は常識的であるというように紡ぐ。確かに言っていることは尤もかもしれない。例えば老爺でなくとも、悪意ある者が何処にでも望む場所へ具現出来て、それがすぐ近くに居るとなれば、いつ寝首をかかれるかと眠ることも儘なるまい。だからその主張は解るのだけれど、 何かが欠けている。強く思う。よくわからないが、この男の意見は間違っている。自分の裡から湧いた感情の意味を理解できないままに、それでも老爺はそう確信していた。 この男は壊れていやがるンだ―― 足元の気温が急に下がったような気がした。呑まれている。いや、そんな表現では生温いだろう。畏れているのだ。自覚すれば、カッと焼けるような憤怒が老爺の胸を燃やした。 こんなガキに俺が畏れるだなどと―― 赦し難い事だった。何より自身に肚が立った。浅く長く呼吸した老爺は射殺さんばかりに人形を睨めつけた。深く息を吸い込んだ腹が幾らか膨らむ 「煩ェンだよ莫迦野郎、何処にでもドロンと出られるってェならこんな歩きにくい山道をえっちらおっちら降りてくるかよ間抜けか俺は、あァ? くっだらねェ事をのたまうンじゃねェ。だいたい何の用かと訊いたなら俺が用件を言うまで黙ってろ、この、礼儀知らずの糞餓鬼めッ」 怒鳴った。理不尽に不条理に唯肚が立ったから怒鳴りつけた。怒鳴りきってから一度だけ肩で息をする。空気が軽い。空気が軽いのなんて当たり前の事のようだが怒鳴る前までは確かにずしりと重たかったのだ。どうやら漸く調子が戻ってきたらしい。人形の、窪んだ目が皿のように円くなっているのが見物である。おまけに口も開きっぱなしだ。間抜けな吃驚顔に溜飲が下がる。フンと鼻を鳴らして様子を見ていれば、やがてゆるゆるとその表情が変わっていった。 心底から嬉しそうな笑顔。 ひゃひゃひゃひゃひゃっ ――しばし山中に笑い声が反響した。 「なっ、何が可笑しいッ」 狼狽して怒鳴っても人形は意にせず笑い続けている。直立で頸を仰け反らせるというなんとも器用な体勢で笑い続けたそいつは少しすると盛大に噎せて腹と口を押さえて咳き込み出した。 訳が分からない。行動が読めない。奇っ怪すぎて扱いに困る。 お、おい、大丈夫かよと、それでもなんとか声をかければ、押さえた指の隙間からまた嬉しげな笑い声が漏れ聴こえてきた。 「あぁ可笑しい、生まれて初めて怒鳴られた。それにガキって、ひひっ、ジィさんオレはガキなんて歳じゃねェよ」 「はン、怒鳴られた事が無いだと? ンじゃあ大した年月重ねてやしねェだろうよ」 「五十路は生きてるぜ」 「俺から見れば生まれたてと変わらねェよばぁか」 またばかって言った。ばかって言われた。嬉しそうに人形は笑う。子供のようにきゃっきゃと笑う。 訳が分からない。 どうしたものかとしばし顰めっ面で黙っていた老爺は、この人形のもとへ足を運んだ自分を呪い、それからそういえばどうして此処へ来たのだったかと思い出して我に返った。 「そうだ、おい、俺は手前ェとじゃれる為に来たンじゃねェよ。あのな、此処に鴉が一羽来なかったか」 「からす?」 ピタッと笑い声が止んで人形が頚を傾ける。 「覚えがないか? だったら餓鬼だ。このくらいの、髪も目も黒い童が来なかったか」 あぁ、と今度は破顔した。 「それなら知っているぞ。昨夜に拾った」 「拾っただァ?」 奇妙な物言いに片眉を跳ね上げる。とはいっても老爺に眉など無いのだが、そこは所謂物の喩えだ。 そりゃアどういうこったと詰問したが人形の男はこれには応えず、色々知っている面白いガキだったぞと上機嫌で言う。 「オレがこの小屋にいると聞いて会いに来たとか言っていたな」 「……そうかよ」 やはりそうだったか。老爺は苦々しく溜め息を吐き出した。 あの子鴉は老爺と鴉天狗の会話を盗み聞きしていたのだ。 まったく気がつかなかったが、童らの言葉通りなら暇があればあの子鴉は世間話を盗み聞きしに来ていたのである。今まで気づいていなかったのだから昨日も気づかなくたっておかしくはない。そしてふたりの会話を途中まで聴いて、親鴉が勘違いしたように子鴉もまた小屋に人間が住んでいるものと思い込み興味本意で覗きに来たのだろう。いや、人間の事がなかったとしても、余所者が住んでいると聞けば面白がって見に来たに違いない。アレはそういう童だ。 しかし、問題はその後だ。日が暮れて帰れなくなったというなら翌朝には帰宅していないのは道理に合わない。つまりは此処で、もしくは此処を離れた後で、何事かに遭ったのだろうと老爺はあたりをつけたのだが……。 「あの時オレはすごく腹が減っていたなァ」 独り言の体でこぼされた台詞にぎょっとした。 「まさか、喰ったのか」 「肉は嫌いだ。気持ちが悪い」 厭そうに顔を顰めるのを見て胸を撫で下ろす。 「な、なんでィ紛らわしいことを言うンじゃあねェよ頓痴気め」 「一緒に飯を食ったンだ。朝方までなんなと話した」 ――あんなにひとと喋ったのは初めてだなァ、愉しかったなァ。 言葉の通り嬉しげにひひひと笑う男を斜めに睨むと老爺は引き攣る顔を片手で覆った。ついでに溜め息も出る。 人の気も知らねェで……。 だが、まぁこの男にどうこうされた訳ではないと分かっただけでも行幸だ。……問題が解決したわけではないが。 「あー、それで、朝になって、餓鬼は何処へ行ったンだ。まだこの辺りにいるのか?」 「いンや、人間を観に行ったよ」 「……何ィ?」 予想外の単語につい胡乱な声が出た。ここへ来てまだ人間の話題が出るのかと辟易したのもある。 「おいおい、何だってそこで人間が出てくるンだよ」 「子供が人間についてもっと知りたいと言うから居場所を教えてやったンだよ。聴くより観る方が手っ取り早いだろう。それに説明とか教えるってのは苦手だ」 平然と紡がれた弁に老爺は片眉を持ち上げた。 風が吹く。水っぽい冷えた空気が転がってふたりの足首にぶつかって、そのまま何処かへと去ってゆく。さわさわと葉擦れの音が遠ざかって、やがて聞こえなくなった。 「何で手前ェが人間の居場所なんざ知っているンだよ」 老爺が言う。 「知っているから知っているンだろうよ」 返答は間髪入れずに返ってきた。が、凡そ答えになっていない。 「はぐらかすな」 「はぐらかしてなんかいねェさ」 知らない事を知ってはいられねェだろう。言って人形は老爺の真似でもするように袖へ腕を突っ込んで組むと顎を反らして北叟笑んだ。莫迦にしているのか揶揄っているのか本気でそうとしか思っていないのか、読めない笑みだ。そもそもコイツは人形なのだ。笑顔以外の貌など無いのだから読みようがない。 否――そういえば先程、肉の話をした時は違う表情を見せたような気がする。 気のせいだったかもしれないが。 今は笑っている。 「だったら言い方を変えるぜ。どうやって知った」 「ジィさん結構賢いな」 ……莫迦にしているのかと思ったがどうやら本気で称賛しているらしく、咄嗟に老爺は反応に困った。それからむしろコイツこそが莫迦なのかと思う。思ってから自分で賢くないと評していたことを思いだした。自覚のある莫迦は概ね莫迦ではないと認識していたのだが、これは改めねばならないかもしれない。 今はどうでもいいことか。 一緒に居たんだよ。前後の説明もなくいきなり切り出されて反応が遅れた。 「一緒に?」 「そう、船で入国して、徒歩やら電車やらでこの街まで辿り着いて、ひとまず拠点を置くまでは、ずぅっとアイツらと一緒だった」 アイツら。 どくんと厭な予感がした。否、それは予感などという曖昧な感覚ではなくて、 符号がかちりと嵌まったような、 「あ……アイツラって」 「わかってるンだろう?」 ニンゲンだよ。 殊更ゆっくりと答えたその薄い唇が黄ばんだ歯とピンク色をした歯肉とを剥きだしにして大きく裂ける。それを見て老爺は――三日月のような形だと、場違いなことを考えた。 「手前ェが」 訊きたいことが多すぎて言葉が止まった。目まぐるしく思考し質問を整理する。 「手前ェがどうして人間と一緒に居るよ。どうして今は別行動している。何を企んでガキに人間の居場所なんざ教えた。そもそも手前ェは――何なんだ」 ただの行き場のない人形では無いのか。 そう思ったから小屋を貸したのに。 「オレは人間だよ」 人形だと思っていた男は事も無げにそう答えた。 「……腕もいで戻す人間が何処にいるよ」 「此処に居るよ」 「そんななァ人間じゃあンめェよ」 人間は非力だ。弱くて、脆い。そういうものだ。 こてん、と人形は――人間が――頚を傾げた。 「実際人間なんだから仕様が無いじゃねェか。それになジィさん、オレはこの世界で一番人間だぜ」 「人間離れしているの間違いだろう」 「傷つくなァ」 全然傷ついているようには見えない。何せ口が笑っている。 「それで、他の質問にも答えろよ」 「何だったっけ」 「何故人間と行動していた」 「そんなのは言うまでもねェだろうジィさん、オレが人間だからだよ」 自称人間はのたまう。 「じゃあ何だって別行動している? それもこんな――」 山小屋へ顔ごと視線をやった。何度見ても襤褸い。 「こんな汚い小屋で寝泊まりまでして。手前ェのお仲間が何処に潜んでいやがるのかは知らねェが、少なくともコレよりはマシだろう」 言ってから、悠長に長話をしていられる状況では無いことを不意に思い出した。子鴉の身が危険に晒されているかもしれないのだ。というか十中八九危機に瀕しているだろう。そうでなければ帰宅していない道理がない。 「おい、今はンな事ァどうだって良い。そんな事よりも鴉に教えた場所てのァ何処だ」 何事か言おうとしたのを遮って詰め寄れば、キョトンと目を瞬いた男は間を置いてからけたけた笑った。 「自分が訊いておいてどうでもいいのかよジィさん、変なの」 「いいから教えろ」 「いいよ」 肯首した口が笑む。両側へつり上がって歯も肉も剥き出しになる。 「オレ達はあの洋館をこう呼んでいる」 ――――人形屋敷。 なんならジィさん、案内してやろうか。そう誘う口元を見て老爺は、 やっぱり三日月のようだと関係の無いことを考えていた。 |